Hi there!
リアルがバタバタしていて、ちょっと久しぶりの投稿になってしまいました!
実は僕、長年英語講師として働いてきたので、第二言語習得という分野に関心があります。
今は、Daddyと結婚するためにアメリカに来ているので、英語を教える機会はありません。
それでも、学習法や教授法には常に興味があります!
みなさんは、どのように単語を勉強していますか?
・単語帳を何回も周回する?
・書いて覚える?
・声に出して覚える?
きっといろいろな方法があると思います。
でも、どれもあなたに合っていれば間違いではありません。
今回のテーマは「学習方略」です!
外国語を学ぶうえで大切な学習方略(Learning Strategies)について解説します。
この考え方は、外国語学習だけでなく、あらゆる学習に応用することができます。
このブログが、あなたの学習のヒントにつながりますように。
学習方略(Learning Strategy)とは?
「学習効果を高めるための意識的な工夫」のことです。
シンプルに言えば、学習するときの“コツ集”のようなもの。
実は、皆さんも無意識に学習方略を使っています。
たとえば、学生のときに
・語呂合わせで単語を覚えた
・書きまくって覚えた
そんな経験、ありませんか?
それも立派な学習方略なんです。
そう聞くと、ぐっと身近に感じませんか?
僕の失敗談:単語の勉強が嫌いだった理由
僕は昔から、単語を覚えるのが大嫌いでした。
ある友人に「書いて覚えるのがおすすめ」と言われて、そのやり方を真似していたのですが…
全く覚えられない!!
そこから、「単語の勉強=つまらないもの」と感じるようになってしまい、完全に嫌いになりました。
理由は単純。自分に合っていなかったからです。
それからしばらくして英語の勉強を再開したとき、僕は「耳で覚える」学習方略が自分に合っていると気づきました。
そこからは、単語学習の効率が爆上がりしました(笑)
このとき、まだ「学習方略」という言葉すら知りませんでした。
でも、自分に合う学び方を見つけることに成功したのです。
だからこそ、「学習方略」という考え方を知っているだけで、単語学習が苦手な人の助けになると感じました。
学習方略の種類
学習方略は研究分野によってさまざまですが、今回は第二言語習得で有名なWeinstein(1986)の分類を紹介します。
🔹 リハーサル(Rehearsal Strategies)
覚えたいものを繰り返して覚える
🔹 精緻化(Elaboration Strategies)
知っていることと結びつけて深く理解して覚える
🔹 体制化(Organization Strategies)
情報を整理・分類してまとめて覚える
🔹 理解監視(Comprehension Monitoring Strategies)
目標を立て、自己評価してモニタリングする
🔹 情緒的・動機づけ(Affective Strategies)
学習環境を整え、モチベーションを高める
自分の学習方略、見つかりましたか?
おそらく、多くの人が「リハーサル」方略(繰り返し学習)を使った経験があるのではないでしょうか?
たとえば、単語帳を何度も繰り返して覚える、などです。
しかし、最近ではこの方法に対していくつかの批判もあります。
なぜ繰り返すだけではダメなのか?
それは、単語の使用がイメージできないからです。
繰り返し学ぶこと自体は大切ですが、目的が「覚えること」だけになってしまうと、
・単語がどんな意味なのか
・どんな場面で使うのか
というイメージが湧かないまま、丸暗記になってしまいます。
この「繰り返し学習」に対する批判は、オーディオリンガル・メソッド(Audio-lingual Method)と似ています。
🗣 Audio-lingual Methodとは?
反復練習や暗唱を通じて、文型や発音を習慣化し、聞く・話す力を身につける外国語学習法です。
この方法は機械的で単調になりやすく、多くの学習者には向いていないとも言われています。
しかし、言語学習初心者にはリソースの少ないALMを勧める場合もあります。
僕が特に大切だと思っているのは、以下の2つです:
✅ 精緻化(Elaboration)
キーワードは、「単語のイメージ」と「あなたの経験」。
・単語のコアイメージは何?
・どんな場面で使いそう?
こうした“文脈”とセットで覚えると、記憶に残りやすくなります。
AtsueigoのAtsuさんも、単語イメージの重要性を強調しています
参考:https://atsueigo.com/vocabulary/
✅ 体制化(Organization)
キーワードは「グループ化」。
・類義語・反義語は?
・意味のカテゴリは?
こうした分類で単語を結びつけることで、記憶に残りやすくなります。
こうして単語を文脈の中で学ぶことで、
👉 単語の使い方がイメージできる
👉 実際の会話を想像して楽しくなる
👉 学習のモチベーションが上がる
というポジティブなループを作ることができます。
学習方略をどう捉えるか?
ここまでの情報、たくさんありましたね。
でも、すべての方略を単語学習に適用しようとすると、かえって混乱してしまうこともあります。
大切なのは「自己評価」と「柔軟さ」です。
学習の途中で、
「これは自分に合っているかな?」
「目標は現実的かな?」
「完璧じゃなくてもいいよね」
というように自分自身を観察して、調整できることが大切です。
これが最近話題のメタ認知です。

実際、メタ認知ができている学習者はテストの結果が高いという研究もあります(石川, 2013)。
先ほどの「理解監視(Comprehension Monitoring)」も、メタ認知の考え方の一種です。
自律学習への第一歩
たとえ「単語の勉強」だけでも、こうして学習理論を応用することで、学習の可能性が広がります。
そして最終的なゴールは、自律学習(Autonomous Learning)です。
🧠 自律学習とは?
学習者がメタ認知を使いながら、
自分の学習内容・進捗を観察し、
「気づき」を得て、一人で学習を進められる状態。
こうした考え方を活かして、何か学習ツールを作れたらいいなと思っています。
…もうちょっと時間がかかりそうですが(笑)
なんか、いろいろと考えてます!